京都は言わずと知れたラーメン激戦都市、京都のラーメンの話題になると様々な意見や感想を耳にします。そこで「どこのラーメン屋が一番美味しいと思う?」と話を振ってみると、いろいろなお店の名前が出てきます。一乗寺や河原町、または大学周辺にあるラーメン店など、有名店から街の中華料理屋のラーメンまで…。
ラーメンの話題になると京都人の誰もが熱く語ってしまうスイッチがあるんですね。
そんな会話の中で「俺のラーメン あっぱれ屋」の名前が出てくると、「あ~っ!」と言葉が続くことがあります。その反応の理由は2つ。
1つは「先に店名を言われてしまった」ことへの驚き、もう1つは「(噂は聞いていたけど)まだ行けてない」悔しい反応。
ラーメンを愛する京都人の誰からも一目置かれながらも何か謎めいた理由がありそうなお店。
簡単には立ち寄れない何かがあるのでしょうか?
その謎をにゃんPon!の2人が解明しに行ってきました。
俺のラーメン あっぱれ屋 へのアクセス
俺のラーメン あっぱれ屋は城陽市と宇治田原町の境の山道の途中にあります。公共交通機関でもアクセスは可能ですが、最寄り駅はJR奈良線の山城青谷駅。そこから徒歩50分、国道307号線沿いにバスが通っていますが、1時間に1便の間隔です。車やバイクを利用して来られる方がほとんどです。
店を知ったきっかけは、外国人のYOU
国道307号線は、普段はダンプトラックの往来が多い新田辺から宇治田原町へ抜ける山道です。城陽から宇治へ向かう途中で何度か店の前を通ったことがありましたが、「俺のラーメン」と書かれた看板が印象に残っていただけでした。
ある日、日本に1年近く住んでいる外国人研修生と一緒にタクシーで宇治田原へ向かう途中、この店の前を通り過ぎました。そのとき唐突に外国人YOUが「ここのラーメン、京都で一番おいしいです」と話しかけてきました。
「え?え?」と何のことを言っているのかサッパリわからずに狼狽える私に向かって、タクシーの運転手さんが「さっき通ったラーメン屋がとても人気なんですよ、いつも行列に並ばないと食べることができないんです」と説明してくれました。
「でも、誰も並んでいないし?そんなに繁盛しているようには見受けられないのですが?」と運転手さんに問い直すと「営業時間が昼食しかやってないのですよ」と教えてくれました。
そして、外国人YOUに「こんなところまで、どうやって行ったの?」と聞いたら「自転車で」と。
「じ、自転車で!?あなた、京都市内に住んでるんじゃないの?」と驚いてしまいました。
YOUは「京都で一番おいしいラーメン屋だと聞いて、どうしても食べたかった」らしいです。
外国人YOUがわざわざ京都市内から自転車で訪れる店、タクシーの運転手にも知られている店。
その日の話をきっかけに「俺のラーメン あっぱれ屋」のことが気になって仕方ありませんでした。
いよいよ「俺のラーメン あっぱれ屋」へ
「俺のラーメン あっぱれ屋」に向かうには、事前に計画をみっちりと練らなければいけません。お店のことをネットで調べれば調べるほど難易度が高いことがわかったからです。
営業時間は11:30~14:00までしか開いていないこと、日曜祝日と第4土曜が休日なこと、開店前には既に行列になっていること、人気のつけ麺は20食限定であること…。
そう考えると土曜は避けて、平日の朝に向かうのがベターですね。
なんとか平日に予定を調整して「俺のラーメン あっぱれ屋」に向けて出発です。当日のミッションは、開店に間に合うようにお店に到着し、つけ麺を食べてみること!です。
平日の開店直前に到着、しかし…
開店前の店への到着を目指し、朝から宇治田原方面へ向かいました。何度か通った道を車に揺られながら向かいます。
店に到着したころには既に駐車場に数台の車とバイクが泊まっていました。「もしかして出遅れた?」とちょっとした胸騒ぎ覚えながら店舗の中へ踏み入ると、お店の中はカウンター席のみで、既に先客がカウンター席に座っており、その後ろにも並んでいました。
- 国道沿いに見える店舗
- 30台収容可能の駐車場
行列が多い日には、店の前に置かれた三角コーンに沿って並ぶようになっているようです。
俺のラーメン あっぱれ屋 店内のようす
店内はカウンター席18席だけのこじんまりとした店舗です。私たちが到着した時には、先客が着席しているカウンター席とその後ろ側の椅子にも7名の先客が待っています。
カウンター席には、まだラーメンが提供されていないところを見ると開店1巡目だと判断。徐々に提供されるラーメンの種類を確認し、私たちの順番でつけ麺が売り切れになることはないとわかったので一安心して順番が回ってくるのを待つこととしました。
私たちの順番が回ってくるまでのあいだ店内を観察してみます。店内には「食べログ」からの賞状やラーメン屋「無鉄砲」さんとのコラボ企画の壁書き、その他にも寄せ書き?などが掲示されていました。こちらのお店は「無鉄砲」さんとご縁があるようです。
お店は、金(橙?)髪で怖そうな顔(ダンディーな)のご主人と奥様らしい女性との2名で回されています。キッチンではご主人が物静かに調理をしながら、ときおり鍋を棒で突いたり、忙しくされています。そのお姿からは緊張感が伝わってきますが、よ~くお顔を拝見すると優しそうな顔立ちです。その一方で奥様が愛想の良い笑顔で注文を聞かれたり、提供の準備などをテキパキとされていました。連日行列になるようなお店をお2人だけでお店を回されていることに驚きます。きっとお二人の息がぴったりなのでしょうね。
- 店舗の玄関、行列は店舗の中にも続く
- 平日の昼なのに長蛇の列
いよいよ来た!特製スーパーつけ麺と濁とろ塩チャーシューメン
私たちが座る順番がやってきて、やっとカウンター席に腰を下ろすことができました。一日限定20食の特製スーパーつけ麺が売り切れになる前に注文ができることは確信していましたので、2人で特製スーパーつけ麺と濁とろ塩チャーシューメンを注文しました。
せっかく2人で来たのですから、2種類のラーメンを食べ比べしてみたいですからね。
因みに「俺のラーメンあっぱれ屋」の味付けは塩とんこつに魚介系が含まれています。
濁とろ塩チャーシューメン 1250円(※普通盛、大盛どちらもそれぞれ同料金)
ラーメンの器いっぱいに添えられた赤身の残ったチャーシューが目を引きます。そして太いメンマと黄身がとろりとしたゆで卵が真ん中を陣取っています。
スープは茶色に濁っています。塩とんこつですが魚介系の味も含まれていて、見た目よりは濃くは感じません。どちらかと言えばあっさり(すっきり)と感じるかも。
麺は太くて歯応えがしっかりと感じられ、麺とスープの相性良く絡みます。
驚いたのはメンマ。一般的に知るメンマとは比べ物にならない位に大きいのですが、とても軟らかく煮つけられていました。「このメンマ持って帰りたい!」
赤みを残したチャーシューは軟らかくてジューシーさがしっかりと感じられて美味しかったです。チャーシューと言うよりは厚めに切った生ハムかな?でも、やっぱり肉々しさはチャーシューです。それと胡椒の風味も感じられました。
テーブルの上には、黒胡椒オイルがあってトッピングできるみたいです。試しにちょっと乗せてみたら、スープに一気に胡椒風味が広がりました。味の変化を楽しみたい人は、お好みで乗せてみるといいかも?

京都一美味しいラーメン屋と噂の「俺のラーメンあっぱれ屋」
特製スーパーつけ麺 1000円(※小 1玉150g 中 1玉300g 大 1玉450gから 同料金)
麺とチャーシュー、メンマとゆで卵が乗った器と一緒にクリーミーな特製スープ(つけ汁)が揃ってやってきました。
つけ麺なので、クリーミーなつけ汁の見た目に惑わされると…「塩辛いのでは?」とやや警戒しならが食べてみたのですが、意外とあっさり食べることができます。でも、ラーメンスープよりは味が濃いので、とても深い味わいに感じられます。麺はラーメンと同じ太い麺のようです。
ここでも太いメンマとチャーシューが味を数倍に引き立ててくれていて、とても美味しく食べ進めることができました。つけ汁には僅かにチーズの風味があり、それが塩味のつけ麺スープに乗っかってきます。違和感よりも風味と感じるギリギリのところでチーズの存在が立っています。
食べ終わった頃合いに奥様(勝手に決めちゃっていますが、違ったらすみません)が、つけ汁に足す割り(蕎麦屋でいう蕎麦湯みたいな)の入ったポットを提供して頂きました。これを残ったつけ汁に足してスープにして飲むように計られているようです。最後まで楽しませて貰える味でした。
(帰るときには売り切れの看板が出てました)

特製スーパーつけ麺 1000円 午前11時30分から20食限定

京都で一番美味しいって言われるだけあるラーメン屋さんだったね

味には好みがあるものだけど、サービスの良さと希少性(行き難い)が評価を高めている理由にもなっているんだろうね

ご夫婦の息もぴったりだし、見ていて気持ちよかったものね

そういう空気も味の一つになるんだよね