京都名産の食材を総じて京野菜と呼ばれていますが、野菜に京都の地名が付くだけで何となく京都らしい風情が感じられますよね?
京都に住んでいるにゃんPon!たちですが、住んでいるといろいろな京野菜に出会います。でも、実のところ京野菜についてよくわかっていない事もありまして…。
その際たる例が「とうがらし」。
にゃんPon!たちが子どものころは「シシトウ」という名前でパック入りで売っており、その中のいくつか辛いのが混じっていて、あたかもロシアンルーレットのように食卓でドキドキしながら食べていたものです。
でも、大人になるにつれて当たり(辛い)のを引き当てることもなくなり、食卓の座も「シシトウ」に代わって大型肉厚と(辛くない)安定した食感の「万願寺とうがらし」が台頭するようになり、いつの間にか「万願寺とうがらし」は代表的な京野菜の仲間入りまで果たしている始末。
でも、その背後を新たな刺客「伏見とうがらし」や「鷹峯とうがらし」などが「万願寺とうがらし」の座を虎視眈々と狙っています。
京野菜とうがらし界は群雄割拠の戦国時代、次の食卓の覇権はどの「とうがらし」が握るのでしょうか?
ちょうど良く3種の「とうがらし」がファーマーズ・マーケットたわわ朝霧に売っていたので、各々の「とうがらし」の違いについて比べることにしました。
甘い「とうがらし」の仲間
「とうがらし」と聞けば、「辛い」というイメージがありますが、実は辛味種と甘味種に分けられます。「伏見とうがらし」「鷹峯とうがらし」「万願寺とうがらし」は全て「甘とう」とも呼ばれ、「ピーマン」や「パプリカ」同じ品種のナス科トウガラシ属の植物です。
伝統の伏見とうがらし
3つの「とうがらし」の中で最も古いのが「伏見とうがらし」。既に江戸時代に京都伏見で栽培されていたことが記されているそうです。生産性や形状の規格など広域流通の便が高くないために一時は栽培が廃れていたが、京都の伝統野菜の復興により再び脚光を浴びるようになった京野菜。「伏見甘」とも「ひもとう」とも呼ばれ、細長いのが特徴。のちの様々な甘とうがらし品種の交配の元になった。
外国品種とのハイブリット 万願寺とうがらし
大正時代から栽培されていた記録がある万願寺とうがらしは、舞鶴市の地名「万願寺」が名前の由来。その誕生は「伏見とうがらし」と「カルフォルニアワンダー(ピーマン)」を交配して誕生した日米のハーフ。「伏見とうがらし」の細長い体長にピーマンの肉厚を足したことで、これまでにない甘とうがらしの食感を実現することに成功。
謎多き優等生 鷹峯とうがらし
起源は定かではないが、栽培の歴史の中で交雑種が固定されたものと考えられており、昭和18年以降より京都市北区鷹峯地区で栽培されている謎多きとうがらし。「伏見とうがらし」と「万願寺とうがらし」の中間サイズでクセがないのが特徴。流通量は最も少なく、今のところ希少な食材として注目されている。
3つのとうがらしの比較
3つのとうがらしの大きさを一つの皿にならべてみたところ、大きさも太さも万願寺>鷹峯>伏見の順で大きさがわかります。因みに赤くなるのは成長が進むことで色に変化がでるだけで辛くなるわけではありません。そこはピーマンやパプリカと同じですね。
3つのとうがらしを仲良く焼いてみて並べてみました。
個人的に感じた食感としては、どれも美味しく甲乙付け難いのですが…
甘とうがらし戦国時代の覇権はどれが握るのか?手に汗握る展開だね~
そこまで考えて食べたことないわ
とうがらし特有の青臭い風味が残るが、甘みもしっかりと感じられた。シシトウに最も近い食感。