京都の骨董市でも東寺で開催される弘法市(こうぼういち)と並ぶ賑わいとなる北野天満宮で開催される天神市(てんじんいち)へ行ってきました。
天神市とは?
北野天満宮の祭神の菅原道真公の誕生日と命日が25日だったことを起源とし、北野天満宮で開催されている骨董市が天神市と呼ばれています。特に1月25日を初天神、12月25日を終い(しまい)天神と呼び、毎回多くの参拝者で賑わいます。
出店数は300店を超え、北野天満宮の境内から平野神社の参道まで様々な店舗が立ち並び、骨董品だけでなく工芸雑貨や古民具、古銭、古着、飲食屋台など様々な店舗で賑わっています。
天神市の開催時間は6:00am~4:00pmまでですが、掘り出し物狙いの方は早い時間の訪問が良いでしょう。
何でも売っちゃう露店が勢ぞろい
骨董市なので骨董に関連する店舗が数多く立ち並んでいますが、素人目には「何がどれくらいの価値があるのか?」は全くわかりません。面白そうな商品を手に取って値札を見て「ふ~ん」と妙に納得するか「うわぁ、高っ」と驚くか?そんな繰り返しを楽しみながら店舗を巡るのが楽しくなってきます。
見る人が見れば価値のある「お宝」でも、縁のない人が見れば「ガラクタ」なものもたくさんあります。牛乳瓶や景品のガラスコップ、古いカセットテープや随分前に流行したキャラクターグッズ、昔はどこの家の玄関にも鎮座していた木彫りの熊や観光地の通行手形など…。最近ではフリマアプリが全盛で「何でも売れちゃう」のが凄さだと口伝されていますが、その元始はまさに骨董市にあることを実感するばかりですね。
骨董市でひと際賑わう露店、それは・・・。
骨董市のメインストリート、正面参道の東側に面する御前通(おんまえどおり)入り口付近に大勢の人々が集っている店舗がありました。中を覗いてみると八百屋の露店、販売しているのは野菜です。
その販売している値段を見てびっくり!通常の店舗で販売されている価格よりかなり安い値段で野菜が販売されていました。
お世辞にも新鮮な野菜ばかりではありませんが、それでも安く野菜が手に入るのは魅力的です。買い物袋を野菜でいっぱいにした京都マダムたちが大勢いました。
格安で野菜が買えるのはお得よね!
骨董野菜じゃなければいいよ
掘り出し物狙いが集う露店
御前通を少し北に進んだところに、また一軒大勢の人が集っている露店がありました。人混みをかき分けてみるとテントの中央で店主とみられる男性が服を手に取って商品の説明と値段を告げています。その値段で買う意思がある人が手を挙げると商品の服を手渡して、まるでオークションのような光景でした。
オークションをしている場所の横には所狭しと多くの服が陳列されていました。商品を見るとどれも名の通ったブランド製の服ばかり。古着とは言えかなり安い金額が提示されています。オークションに参加している方に話を聞くと、この店はテレビでも取り上げられた北野天満宮の骨董市でも有名な露店なのだとのこと。あまりに安くブランド商品が販売されているので、転売目的の業者が増えたそうで、今では同業者や転売目的の販売はお断りしているそうです。
見所がいっぱいの骨董市
骨董市を一通り巡ってみましたが、印象的だったのが外国人の姿が多いこと。いろいろな人種の外国人の方々が露店を出入りしていました。なかでも着物の端切れや古民具、古美術などに関心が高い様子です。使用済の友禅の染付用の型紙を大量購入している外国人や御用聞きが着用していた帆布の前掛け、消防団が着用していた法被など、面白い品物に関心を示す外国人も多かったです。商品を陳列している露店には、英語で価格が表記されていたり、露店の店主が外国人客と英語で値切り交渉をしており、骨董市の世界にも国際化への対応が進んでいるようですね。